【Career Vol.9】世界最大級、圧倒的なスケールの市場で急成長!産業構造の変革に取り組むスタートアップの挑戦
CHRO幸松大喜
東京大学を卒業後、マッキンゼーにて約4年間勤務。マッキンゼーでは米国や中国を含む、国内外の製造業を中心にオペレーションやSCM分野を担当。26歳でマネージャーに昇進し、1万人を超える組織のIT戦略や組織改革などをリード。その後板金加工会社の現場に勤務し、町工場の実情を肌身で学ぶ。2017年末にキャディ株式会社の3人目社員としてジョイン。
キャディ入社後は、パートナーサクセス本部長、Manufacturing Operations 本部長、執行役員 Manufacturing 事業部 品質保証部部長などを歴任。2024年10月よりCHROに就任。
日本の産業構造を大きく変えることに意味がある
幸松様の経歴を教えてください。
幸松:高校を卒業してから、東京大学の法学部に入学しました。大学では主に法律を学んでいたものの、どちらかというと国際政治の領域に関心がありました。
大学卒業後は、2014年にマッキンゼー・アンド・カンパニー・ジャパン(以下、マッキンゼー)へ入社しています。マッキンゼーでは、主に製造業のお客様を担当しました。具体的な業務内容としては戦略からSCM、調達やオペレーションの改善などです。
2017年末にキャディへ入社してからは、祖業であったManufucturing事業において、主にサプライヤー側の責任者を担当しました。サプライヤーの立ち上げや価格品質の強化、オペレーション構築に加えて、全体のコスト構造改善などに取り組みました。その後、2024年の10月からはキャディのCHROを務めています。
キャディへの転職理由を教えてください。
幸松:日本における、社会課題の解決に取り組みたいと考えたからです。私自身、学生時代から社会課題に関心がありました。マッキンゼーへの入社を決めたのも、私が関心のある領域において、ビジネスの観点でも社会貢献ができると思ったからです。実際マッキンゼーに入社してからの仕事は、非常にやりがいがありました。
一方で、日本の産業そのものを変えるという観点では、私がいた環境では難しいように感じました。お客様は大手企業が多く、中小企業を相手に仕事をする機会が少なく感じたからです。日本の大多数にあたる中小企業を相手に、社会課題の解決に取り組みたいと考え、転職を決めました。
そのなかでキャディを選んだのは、マッキンゼーでの同期であり、キャディの代表取締役である加藤から聞いたキャディの構想に惹かれたからです。
日本の製造業は、中小企業であっても優れた技術を持っている会社が多いです。一方で、町工場は年々減少しているという課題があります。また、多くの町工場が下請けとして仕事を受注しており、経済的に苦しい思いをしています。しかし、自力で自分たちを救える会社は少ないのが現状です。
だからこそ、日本の産業構造を大きく変えることに意味があると感じ、自らの力で取り組んでみたいと考えキャディへ入社を決意しました。
“モノづくり産業のポテンシャルを解放する”という壮大なミッション
キャディの事業内容を教えてください。
幸松:キャディは、製造業向けのAIデータプラットフォームを提供しています。我々のミッションは、図面をはじめとした製造業のデータ活用による業務の生産性向上などによる、モノづくり産業のポテンシャル解放です。
キャディには「CADDi Drawer」と「CADDi Quote」という2つのプロダクトがあります。CADDi Drawerは、独自の画像解析アルゴリズムを搭載した、図面をはじめとしたあらゆる製造業データを活用できるクラウドです。高精度の類似図面検索などにより、設計・調達・生産部門におけるコスト削減につなげられます。
CADDi Quoteは、AI解析やデータの活用により見積もりのプロセスを効率化できるプロダクトです。見積もり業務の飛躍的な効率化と脱属人化につなげられ、蓄積されたデータを図面と自動で紐づけることにより、調達業務の改善に貢献できます。CADDi DrawerとCADDi Quoteを組み合わせることで、見積もりプロセスの効率化が可能です。
キャディのプロダクトにおいて、今後の拡大方針があれば教えてください。
幸松:アプリケーション数の増加と、グローバル領域への進出・拡大です。キャディのプロダクトはCADDi Drawer単体だけでなく、周辺データも取り込むことでよりサービスの範囲が広がります。プロダクトを通じて新しいデータ取得が可能であり、プラットフォームとしてのビジネスを強化できる点が強みです。そのため、今後も新しいアプリケーションを搭載していく予定です。
グローバル領域に関しては、2023年から米国へ進出して事業展開を進めています。実際に、日系企業だけでなく現地企業からも受注をいただき、徐々に実績が伸びてまいりました。また、組織に関しても営業メンバーは積極的に現地採用を行っています。現地で製造業などのスタートアップから入社いただいた方もおり、セールスの体制は強化が進んでいます。
幸松様はキャディでどのような領域を担当されているのでしょうか?
幸松:現在はCHROとして、採用や社内の組織開発と人材開発に携わっています。採用においては年間で300人の方に入社いただくという目標に沿って動いています。300人という数字は、これまでの採用スピードと比較しても非連続な目標です。そこで、どのようにして300人の方に入社してもらうかというチャレンジをしています。
採用と並行して、社内の組織開発や人材開発の領域も担っています。多くの方を採用し、キャディの社員が増えたらそれで終わりではありません。入社した方がきちんとサクセスできるように、人事制度や評価制度の整備をしています。人材開発の面では、とくにマネージャー層のスキルアップや、オンボーディングの強化に取り組んでいます。
スタートアップのなかでも頭一つ抜けている事業規模
キャディが短期間で大きくグロースできている理由は、どのあたりにあるとお考えでしょうか?
幸松: キャディのプロダクトが、圧倒的にPMFしていることが考えられます。実際に大手企業での事例が数多く出ており、社数としても数百社の導入が進んでいます。お客様の悩みである調達や設計の非効率な部分において、キャディのプロダクトが課題解決につなげられているのではないでしょうか。
また、時代の流れも非常に追い風であり、社会全体でDXの流れができているように感じます。各会社がDXの推進室を置いたり、予算を確保したりするなどして、全社的な改革を進めたいという気運の高まりがあるのではないでしょうか。
―会社のカルチャーも、事業成長を加速させているように感じます。
幸松:もちろん、キャディという会社自体が非常に高い目標を設定して取り組んでいる点も大きいです。キャディの特徴として、目標をとにかくストレッチングしていくという考え方があります。そのため、国内のサービスとしてトップレベルに到達しただけでは満足しません。
仮に売上で考えた場合、百億円の事業ができたとしても満足する人はいないことでしょう。キャディではグローバル市場も含めて、数十兆円規模へ成長させるだけでなく、我々が生きているうちにそのような事業をつくりたいと考えています。そのためには、毎年目標を高く設定したうえで、事業規模を拡大させていく必要があります。
高い目標を設定した場合、社員一人ひとりが本気で到達できると信じなければ達成できません。キャディの場合は「必ず達成するぞ」と、強い意識を全社で共有できていることもあり、大きく事業を成長させられているのだと考えています。
組織の拡大が急速に進んでいる理由は、どのあたりにあるとお考えでしょうか?
幸松:大前提として、事業が大きく成長していることに魅力を感じていただけているのではないでしょうか。キャディに入社いただく方は、以下の価値観を持たれている方が多いです。
- 難しいことにチャレンジがしたい
- より業界を変えるようなスケールの大きいことにトライしたい
- 前人未到の領域に挑戦したうえで自分も成長していきたい
このような方々が一番気にされているのは、キャディが事業としてどれだけ伸びていくのか、そのなかで新しいチャレンジの機会がどれほどあるのかだと考えています。
また、グローバル領域への進出や、世界最大級の事業規模というスケールの大きさも理由の1つです。事業規模の大きさという意味では、日本のスタートアップのなかでも頭一つ抜けている存在だと自負しています。
製造業が抱える課題はグローバルな市場においても変わらない
他社スタートアップとの違いや、キャディならではの強みを教えてください。
幸松:SaaS系企業のなかでも、狙っている市場規模やTAM自体が非常に大きいことではないでしょうか。仮に日本だけでも、数兆円の市場規模だと考えています。
一方で、グローバルのSaaS市場において日本が占める割合は10%未満と言われています。ニーズが大きいアメリカは約50%と言われているため、グローバルな規模で狙うことが事業を拡大するうえで重要です。
しかし、法規制の問題などにより、実際にグローバルな規模で事業を展開できている企業はほとんどありません。税制などは、日本と海外で大きく異なります。そのため、日本のプロダクトをそのまま海外で展開してもスムーズに進みません。
一方で、製造業は法規制のようなネックが少ないため、日本のサービスを展開しやすい状況にあります。また、設計や調達周りの非効率さにおいては、日本とアメリカでは同じ課題を抱えています。企業からの需要や抱えている課題が共通しているため、キャディのプロダクトがグローバルな市場に展開できるのです。
あとは日本に対する製造業のイメージも、キャディのグローバル展開という意味では強みになると考えています。なぜなら、海外から日本という国を見たときに、製造業のイメージが強いからです。
世界で名が知られている日本企業の名前を挙げていくと、製造業が数多く該当します。製造業において昔から実績のある国で開発されたプロダクトであれば、信用できると考えられているのではないでしょうか。
キャディでは、働くうえでどのような仕組みや制度が整えられているのでしょうか?
幸松:オンボーディングプログラムにおいて、製造業について理解するための講座をつくり、社内で導入しています。たとえば、営業の方であれば本当に自信を持ってキャディのことを語れるまでは現場へ行きません。逆に言うと、そこに至るまではきちんと育成のところを、組織として責任を持って伴走するような環境が整っています。
あとは、家庭と仕事の両立に対する理解が大きい環境です。子供のいる社員が全体の約45%を占めているため、キャディでは育休を取るのが当たり前になっています。
働き方においては、出社とリモートのハイブリッドを取り入れています。部署にもよりますが、出社は週2回程度でも問題ありません。また、フレックス制度も導入しています。子供の送り迎えと仕事を両立できるよう、勤務時間においても選択肢を用意しています。
世界を変えるために日本で一番挑戦している会社
入社される方は、製造業出身の方が多いのでしょうか?
幸松:入社される方の経歴は、多種多様です。代表取締役の加藤や私の経歴を踏まえて、コンサルティング業界出身の方が多い印象を持たれる方もいらっしゃいます。しかし、実際は事業会社やベンチャー企業出身の方が非常に多いです。自営業の方や非製造業の方もおり、バックグラウンドは多種多様です。
キャディではどのような人材を求めていますか?
幸松:キャディが一番重視しているのはスタンスです。特徴的なのは、難しいことをおもしろいと感じられるかどうか、というポイントです。
我々は常に高い目標を掲げ、早いスピードで事業を成長させていくべきであり、それを諦めた時点でキャディではないと考えています。ただし、決して簡単なことではありません。
四半期や個人ベースの目標は、非常に高く設定されます。高い目標を設定されたときに「普通ではできないことをしよう」とワクワクするのか、反対に「キツイ」と思うかでは大きく変わります。キャディにおいては前者に該当する方を採用しており、会社の方針としてこの考え方は揺らぎません。
スタンスのほかに、キャディで重要視しているのが”学ぶ力”です。キャディに入社される方は、自信と共に謙虚さがあり、きちんとフィードバックに向き合う姿勢を持っています。スキルはキャディに入社してから伸ばしていける環境が整っているため、”フィードバックに向き合う力”や”学ぶ力”がある方を求めています。
最後に、キャディへの応募を検討している方にメッセージをお願いします。
幸松:自分の人生で「世界を変えてみたい」という想いがある方に、ぜひキャディへ入社いただきたいです。世の中には、魅力的な会社が数多くあります。そのなかで、製造業という最も大きな業界かつ、誰もが「難しいのでは?」と考える領域でキャディは事業を展開しています。
取り組んでいることは、ITを通じた変革によるチャレンジだけではありません。国内だけでなくグローバルに実現しようとしている観点で見れば、キャディは世界を変えるために日本で一番向き合っている会社だと自負しています。
応募を検討するにあたって、製造業での経験がなく不安を感じる方もいるかもしれません。しかし、製造業の知見については、キャディに入ってからきちんとインストールできます。面白いことや難しいことにチャレンジしたいと考えている方であれば、相当ワクワクする環境を提供できるはずです。
キャディは現状を第二創業期と呼んでいますが、主力プロダクトである「CADDi Drawer」をローンチしてからまだ2年半というフェーズです。社員の数が600人超と聞くと、組織としてすでに出来上がっているイメージを持たれる方もいらっしゃいますが、実際はやりたいことが溢れており、まだまだ人が足りていません。
チャレンジするなら、本当に今このタイミングがベストです。これから世界を変えていくうえで、第二創業期の初期メンバーとしてキャディへ入社いただける方をお待ちしています。